『思いつくままに』
『思いつくままに』
 
Vol.42 チェロコンクールの成功
 
昨年暮、八王子市が「一躍国際文化都市の仲間入りをした」と評価されたイベントが開催された。それは「ガスパール・カサド国際チェロコンクールin八王子」の開催であった。約2週間にわたって開催されたコンクールは12月3日の入賞者の表彰式とその披露演奏会で幕を閉じた。
 
 
一夜明けて、私は朝日新聞社の発行するウィークリー誌AERAのページをめくり目を見張った。音楽評論家山田真一氏による「カサド国際チェロコンクール」の評価が早くも掲載されていたからだ。
 
その内容はコンクールの開催に必死の思いでこぎつけた関係者にとっては、これ以上の評価はない程の高い評価を下した一文であった。「日本のコンクールに世界レベルが次々と出現。チェロにも初の本格的なコンクールが登場した」という見出しとその評論の中に、八王子のチェロコンクールのレベルの高さが凝縮されていた。
 
クラッシック音楽の国際コンクールでは先輩格の「仙台国際音楽コンクール」や「浜松国際ピアノコンクール」などの高いレベルのコンクールに伍して、八王子のコンクールが同等以上に評価されていたのだ。改めて市民や企業関係者の献身的な努力に深い敬意の念を表したいと思う。
 
今回のチェロコンの特色は市民の有志による勇気あるチャレンジにある。10年近く前、数人の有志が「原千恵子の遺志を実現させよう」と集まり、構想を暖めてきたという。それにしても、何の経験も知識もない素人集団が世界を相手に国際音楽コンクールの開催に取り組み、企業や市民から巨額の浄財を募り、行政の参加を引き出し、八王子施政90周年記念事業の冠のもと、苦心惨憺の末に大きなうねりを引き起こしたことは、正に快挙そのものである。
 
八王子の地での第1回のチェロコンクールは成功した。しかし、この成果を発展させ、第2回目以降にどうやってつなげるのか、名実ともに最高峰の国際コンクールとして定着できるかどうかが大きな課題である。イタリアのフィレンツェで、カサド氏夫人故原千恵子氏が10回もの歴史を重ね、一流のチェロ演奏家を輩出した“カサドチェロ国際コンクール”が八王子の地に根付いて、5回、10回と歴史を重ねることができるかどうか。今後の八王子市と八王子市民の本気度と文化度が問われることになる。
 
今回のコンクールの審査委員長を務めたアラン・ムニエ氏は表彰式の挨拶の結び、“永遠なれチェロコンクール、そしてチェロの街八王子。われら全員のこれから進むべき街八王子“の言葉で私もこの一文を終わりたい。
 
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