『思いつくままに』
Vol.27 “哲学の道”を歩こう
暑さ寒さも彼岸まで……朝夕気持ちの良い気候になってきた。早朝のウオーキングも足どりが伸びやかである。元気よく交わす“おはようございます”の挨拶にも力が入る。すがすがしい一日の始まりである。
ここにきて、日本経済に元気が感じられるようになってきた。様々な経済指標の好転や設備投資の増加などなど、経済活動に上昇の兆しが顕著になってきている。
日暮れとともに人影のなかった町工場の窓にも、夜遅くまで明かりが灯るようになってきた。業種によっては向こう一年以上の受注を抱える企業もあるとか。先月28日には日経平均株価が1万3,400円台を付け、今年の高値を更新した。何とも眩しい話である。
い年月低迷を続けていた土地の価格にも変化が見られ、全国的に下げ止まりの傾向が見られるという。一部地域では上昇に転じたとも報じられている。多くの人々が期待を寄せていることは痛いほどわかるし、私も経済人の一人として経済の活性化は大歓迎である。
しかし、しかしである。このまま走り出してしまってよいのだろうか。大量生産、大量販売、そして大量消費に見た洪水のような物や金の流れには、二度と棹差してはなるまい。それがバブルの崩壊によって味わった痛みであり、教訓のはずだ。
私たちの日常はまだまだ先を急ぎ過ぎていないだろうか。中心市街地の衰退との関連性で話題となっている、郊外立地の大型店の問題にしても、あそこまで巨大な物の流れがないと生活に支障がでるのだろうか。
物を作って売ることは商売の原点ではあるが、そんな巨大な物流の渦の中にいないと、日常生活は維持できないのだろうか。自給自足の生活をとまでは言えないが、身近な場所でつくられたものを身近な人々が消費する。そんな小さな循環は、望んでももう無理なことなのだろうか。
交通手段の発達によって地球は日一日と狭くなりつつある。十数時間の移動で地球の裏側に行ける時代である。でも私たちの日常ではそんなに急ぐことはあるまい。
人が風を感じ、葉擦れの音を愛で、会話が楽しめるのは歩く早さである。私たちは二本の足で歩く効用をもっともっと生かすべきだ。そして歩きながら経済を考えよう。地球環境に想いを馳せよう。物の満足から心の満足を探そう。“哲学の道”は皆さんの一人ひとりの道なのだから。
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