『思いつくままに』
Vol.20 “もったいない”という言葉
日本ではこの百年間に平均気温が一度上昇したという。この一度の影響は決して少なくない。植物の分布をはじめ農業や産業に及ぼす影響は大きい。りんごや梨といった寒い国の果樹にも高温の弊害が表れはじめているという。
私達の日常を振り返っても、最近は暖かくなってきている。庭の池に氷が張らない。霜柱もほとんど目にしなくなった。私の子供の頃は、霜解けの泥んこ道や軒下の大きなつららなどは当たり前で、バリバリと霜柱を踏んでの登校なども日常の一コマであった。
先月16日に京都議定書が発効した。1997年に京都の国際会議で締結されてから、すでに7年が経過している。それだけ、先進国にとって二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減義務は、その対策に困難が予測されるということなのであろうか。
1990年代以降、世界では異常気象が多発している。急激な温暖化に伴う気候変動が地球そのものの脅威になりつつあることの証左である。温暖化につながるCO2などの排出削減に本気で取り組まないと、人類は己が住処を失うことになる。
地球
近頃、私たちの日常生活から消えてしまった言葉に「もったいない」という表現がある。懐かしい響きの言葉である。子供の頃、食べ物や物の扱いの中で、親から何かにつけて「もったいない」という小言で、物の無駄を諫められて育った世代である。
昭和30年代“もはや戦後ではない”と経済白書に書かれた頃、つまり日本の高度成長とともに、大量生産・大量消費の時代を迎え、消費の拡大が景気の拡大につながる時代が続いた。「使い捨てカメラ」に象徴されるように、物を抵抗なく捨てるようになり、日本人が伝統的に持っていたつつましい暮らしのあり方を忘れてしまった。
温暖化ガスの排出を減らすためには、生産活動をはじめ、あらゆる社会生活、日常生活の中で、省エネ型のシステムが求められることになる。私たち自身が常に物を無駄にしないことに心掛けるとともに、次の世代を担う子供たちに、「物を大切にする心」「無駄をしない心」を植え付けることが肝要であろう。
地球がいつまでも「命溢れる青い星」であるためには、人類の英知を結集して、これ以上「熱い星」にしてはならない。「もったいない」という言葉を噛み締めながら、遠い子孫のために、今の私たちがしなければならないことを考えてみたいものである。
▲PageTop

お問合せ: 八王子商工会議所
〒192-0062 八王子市大横町11-1  Tel(042)623-6311
当サイト内のあらゆる文章、画像などを作成者の許可なく転載・使用等を行うことを固く禁止します。