『思いつくままに』
Vol.19 心の再生〜その2〜
新年号で日本商工会議所の会頭アンケートに対する私の意見を書いた。1月に入り全国の集計結果が発表された。ここでは、この結果の概要といささかの私見を述べてみたい。
設問は「いま、日本に必要な“再生”は何か」というもの。私は「心の再生」と答えたというのが前号までである。
全国の会頭諸氏が寄せた“再生”の第一位は「地域の再生」であった。意見を集約すると「日本の力の基礎はコミュニティー。その衰退が社会・経済のあらゆる面に影響している」。さらに「地域の伝統・文化の伝承が人間性を豊かにし、明るい社会の構築につながる」など、コミュニティーを重視する指摘が多くあった。
第二位は「教育の再生」、そして第三位が「心の再生」であり、上位三位までの回答で全体の三分の一を占めていた。この第二・三位のコメントには共通性が多く「日本人が本来持っている心(勤勉・向上心・奉仕の精神・親、兄弟、隣人に対する尊敬の心)を再認識し、再び取り戻すこと」「日本人としての誇りを持ち、日本の伝統文化を理解し、海外でも堂々と発言できる国際人を育成すべきだ」など、日本の伝統的な規範意識の重要性を指摘している。
いずれも日本の将来にとって不可欠の項目ばかりだ。こうした正論に引き換え、今の日本社会の実態は“甘えの精神構造”に侵されているのではないかと強い危惧を感じている。
様々な問題をかかえている教育の現場も、「学校ばかりの責任ではない」と外部に原因を求める声が多い。一方家庭は学校任せ、地域は無関心という実態は、甘えの構造そのものだ。
今、全国の若年層にフリーターやニートと呼ばれる無業者の数が増加し続けている。懸命に職を求めている若者も多いが、原因の一つは家庭の甘やかしである。働いて社会的責任を果たすという勤労観は親から子どもに伝えるものだ。
最近の企業は学生の採用に当たって即戦力を求めるようになっている。これとても企業側に甘えはないだろうか。企業自身を支える人材(財)は自らが育てるのは当然のことだ。
こうした甘え構造の連鎖が「誰かがどうにかしてくれる」という社会への甘えにつながり、「誰も責任を取らない社会」が出来上がってしまったのではないのか。日本の甘え病は意外と根が深いのかもしれない。特効薬は「心の再生」だと信じている。
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