『思いつくままに』
Vol.18 “心の再生”を
今、日本に必要な“再生”とは何か。というアンケートの設問に対し、私は迷わず「心の再生」と答えた。
そのコメントとして「親殺し、子殺し、幼児誘拐殺人、そして若者のゲーム感覚の殺人。こんな殺伐とした時代がかつて日本にあっただろうか。あの控え目で礼儀正しい日本人のイメージはどこへ行ってしまったのか。精神の荒廃・人間性を喪失した社会の状態に歯止めが必要だ。それには“心の再生”以外にはない。今後、家庭と学校の教育の中で、誰もが真剣に取り組むべき課題」と書き加えた。
このアンケート調査とは、日本商工会議所が毎年2回、全国524商工会議所の会頭に対して行っている、経済動向、社会情勢、政治課題等についての調査で、昨年の暮れに実施されたものである。
私たち日本人は、戦火に荒廃した焦土から、文字通り血のにじむ思いで這い上がり、世界の奇跡とまで言われた戦後の復興を成し遂げてきた。すべてがひもじさからの脱却であり、ひたすら豊かな生活の実現を目指したものであった。焦土から60年、新たな世紀を迎えた今、日本は本当に豊かな国として甦っているのだろうか。その疑問が冒頭のコメントなのである。
幕末・明治期に日本を訪れた外国人の言葉を借りてみよう。
帝国ホテルを設計した米国人ライト氏は、東京の景観に対し「これほど瀟洒な街並みを見たことがない」と賞賛している。また、英国人旅行家イザベラ・バード氏は米沢平野に立ち寄ったとき、この地を「東洋のアルカディア(桃源郷)」と賞賛を惜しまなかったという。
どんど焼き
多くの外国人が日本の穏やかな自然やまちの佇まい、好奇心旺盛な人々の暮らし。さらに子供を大切にする様々な年中行事や寺子屋の繁盛振りなどを、驚きと畏敬の念を持って書き残している。現代の生活リズムの全てを江戸時代にタイムスリップすることは不可能だ。しかし、自然の申し子としての人間の存在は少しも変わっていない。だとすれば、心の在りようのほんの少しを、自然に逆らわなかった時代に置き換えて考え、生活してみることも無駄ではあるまい。
今年はあらゆる生活の分野で、心の再生に取り組む一年でありたい。一人ひとりが、日常生活をじっくりと見直すことから始めようではないか。足るを知る感謝の念を“心の再生”の事始めとして。
▲PageTop

お問合せ: 八王子商工会議所
〒192-0062 八王子市大横町11-1  Tel(042)623-6311
当サイト内のあらゆる文章、画像などを作成者の許可なく転載・使用等を行うことを固く禁止します。