『思いつくままに』
Vol.10 国立公園と美術館
八王子で日本中の国立公園の風景美が鑑賞できる。そんな機会を八王子夢美術館が提供してくれた。題して「描かれた日本の風景」展である。2月から5月のはじめまで、東日本と西日本に分けた国立公園の絵画展は、我が国の巨匠の手になる素晴らしい風景画展であった。
日本の国立公園は28箇所が指定されており、国定公園になると55箇所に及んでいる。私たちの身近かな国立公園には「富士箱根伊豆」や「秩父多摩甲斐」などがある。ちなみに高尾山は「明治の森高尾国定公園」として指定され、記念切手も発行された。
昭和6年に国立公園法(昭和32年に自然公園法となる)が制定され、当初のねらいは我が国の風景を海外に向けて紹介することにあった。昭和9年に第一回として、瀬戸内海・雲仙天草・霧島が指定された。以後昭和62年に釧路湿原の指定が最後となっている。
私は描かれた全国の国立公園の風景を見ながら、今までにそれぞれの地を訪れた印象と重ね合わせて、しばしの間、全国を巡る旅の中にあるような思いに浸っていた。改めて日本の風土の持つ素晴らしさを味わい直すひと時であった。
近年、観光事業が見直され、国を挙げて外国人観光客の招致に力をいれている。各自治体でも、それぞれの地域が持つ自然、街並み景観、産業遺跡などを目玉として、観光客の誘致に力を入れている。八王子とて例外ではない。高尾山の持つ魅力や自然の佇まいなどの資源を、21世紀の癒し型観光の拠点として改めて活用を図りたいものである。
八王子夢美術館
最後に苦言を一つ。美術館の静かさである。こんなに素晴らしい内容の企画展が、残念ながら閑散としている。もっと夢美術館の存在と事業の中身を積極的にPRする必要がある。
小中学生や高校生、市内の大学生など、これからの世代の人たちが、美術館に足を向けるような工夫も欲しい。それと“ここが美術館”とはっきり分かる看板が欲しい。ネオンとまでは言わないが、甲州街道を歩いてきて、自然に目に入るような看板が必要ではないだろうか。
たくさんの素晴らしい絵に酔いながら、一方でもったいなさの残る思いで美術館を後にした。
▲PageTop

お問合せ: 八王子商工会議所
〒192-0062 八王子市大横町11-1  Tel(042)623-6311
当サイト内のあらゆる文章、画像などを作成者の許可なく転載・使用等を行うことを固く禁止します。