『思いつくままに』
Vol.2 新銀行への期待
今年の5月、新聞紙面に「東京都が新銀行構想を!」の文字が一斉に躍った。石原知事が2期目の目玉の施策として、予てから構想を暖めていたものだと言う。長引くデフレ不況に苦しむ中小企業に対して、従来からの支援策に加え、証券や債権等を活用した新しい手法で対応してきたが、いずれも十分とはいえず、中小企業対策として「銀行という装置の必要性」を痛感し、2期目の公約にしたものと報じられていた。
すごい事である。かつて、地方自治体がここまで踏み込んだ対応策を考えたことがあるだろうか。既存の対策に予算を上乗せすることはあっても、「中小企業のために銀行を創ろう・・・・・・」は無かったことだ。
8月29日、新銀行構想についての説明と商工会議所との意見交換会が持たれた。多摩地域の7会議所が参加したこの会議には、東京都出納長室の「銀行設立準備担当」として、関参事・津島理事が出席、活発な質疑応答があった。
具体的な考え方は、(1)技術力や将来性等に優れた中小企業を総合的に支援するため、従来の担保主義を超越した戦略的な融資モデルをつくり、円滑な融資を提供する。(2)外資系も含めた、資金運用力の優れた金融機関と協力し、安全で有利な金融商品を提供する。(3)ICカードの導入により、行政・交通・流通に共通する統一カードを導入して、都民生活の利便性を図る。としている。
ものづくり素晴らしい構想である。特に中小企業への融資は企業の技術力や将来性、経営者の資質などを担保とし、担保物件や第三者保証は求めないと言う。「中身と信用力で勝負」の時代がやってきたように思える。地元信用金庫などとの連携を密にし、中小企業が成長できる真のパートナーとなる即断・即決の新銀行の早期実現を期待したい。
この意見交換会に向けて、会議所では全議員に対してのアンケート調査を行った。この中では、都の考え方に対して否定的な意見もあった。しかし、多くの意見は現状の金融に対する不満と新銀行への期待であった。共通の危機感として、経営状況の厳しさと、この限界の状態が続くことによって、いずれ中小零細企業の多くが消滅してしまうことへの懸念であった。
苦悩する多くの中小企業経営者の熱い期待に応える関係者の努力を待ちたい。私は、提案の最後を次のように結んだ。「新銀行が“借り易く、返し易い”中小企業者・都民の真の味方であって欲しい」と。
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