『田辺会頭からのメッセージ』
Vol.27 「消費税に思うこと」
 
   
   
本格的な梅雨の季節です。蒸し暑い毎日、皆様にはお体に十分気を付けていただきたいと思います。
参議院選挙が始まり、これも熱い闘いが繰り広げられています。今回の選挙の争点は“消費税”ということになりました。ただ“腰を据えて消費税を”ということではなく、成行きの中でそうなってきたというのが何か不安であり、気になるところです。
消費税率を引き上げ、増税するにはいろいろな問題があります。消費者の立場でいけば逆進性の問題。流通段階では力の弱い立場のところが税をコストにさせられる価格転嫁の問題。さらに消費の減退によって景気が低迷する日本経済全体の問題であります。いずれも力の弱いところにより多くの負担がかかることになります。
しかし、一方では社会保障等、弱者層のおかれた将来への不安を解消していくための財源としての役割があり、これらのバランスをどうとっていくのかが政治の重要な役割ではないかと思います。
税はその国の形を表すといわれます。この観点からすれば、今回消費税だけを問題にするのではなく、同時進行で法人税、所得税、相続税等を含めた税のあり方の全体を議論しなくてはなりません。
今日本は国のあり方が大きく変わろうとしています。従って、必然的に税体系も変わらざるを得ないところにあります。しかし、その前に一番大事なことは“これからの日本をどのようにしていくのか”という大命題に国政が全力を挙げて取り組み、具体的で明快な我が国の方向性を示すことだと思います。
それなくして、財源の為の消費税の増税であっては絶対になりません。さらに、もし消費税の増税に踏み切る場合は、運用上の配慮をあれこれ設けるべきではないと思います。
税制自体を複雑にすることは、結果的にはそれを扱う中小企業、小規模事業者に手間をかけさせ、余分な仕事をするという苦労が発生するからです。弱者への配慮は税制以外の対策を講じるべきであります。
私は消費税が導入された時から、最終消費者だけに視点を当てた国の姿勢、マスコミの取り上げ方に違和感と疑問を持っていました。
消費税は経済活動全ての段階に係る税ですから、大きな広い視点で捉え、考える必要があることを強く感じています。私も日本商工会議所の税制専門委員会のメンバーの一員ですので、会議所の会員の立場から、しっかりと考え対処していきたいと思います。
 
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